
DRAM受託生産の値上がりで、兆易創新(GigaDevice)の今年の調達予算は約1,806億円に拡大

9月28日夜、中国半導体大手である兆易創新 (Gigadevice Semiconductor Inc.)(証券コード:603986.SH)は公告を発表し、同社第5期取締役会第16回会議において、「2026年度の日常的な関連当事者取引の予想枠の増額および2027年1~4月の日常的な関連当事者取引枠の見込みに関する議案」が審議・可決されたと明らかにした。公告によると、同社は長鑫集団に対する2026年度の関連当事者取引枠を21.43億元(約492.89億円)引き上げ、増額後の年間枠は78.54億元(約1,806億円)となる見通し。また、2027年1~4月については、長鑫集団(CXMT)との関連当事者取引額を44.11億元(約1,014.53億円)と見込んでいる。ただし、この議案は株主総会での審議を待つ必要がある。
兆易創新は、2026年度の取引枠引き上げの直接的な要因について、「DRAM製品の受託生産価格が市況に伴って上昇したため」と説明している。同社が長鑫集団から調達しているのは、自社ブランドDRAM製品の受託生産サービスで、受託価格の上昇がそのまま調達コストを押し上げた。これにより、従来の年間予算57.11億元(約1313.53億円)では実際の事業需要を十分に賄えなくなったという。

実際の発生額を見ると、2026年1~8月における同社と長鑫集団との関連当事者取引額はすでに35.96億元(約827.08億円)に達しており、当初想定していた57.11億元(約1,313.53億円)の約63%を占めている。このペースが続けば、通年の実績額が当初予算を上回る可能性は高く、取引枠の引き上げには現実的な必要性があるとみられる。

同時に、兆易創新は2027年1~4月分として44.11億元(約1,014.53億円)という高水準の取引額もあらかじめ見込んでいる。この金額は、2026年1~8月の実際の関連当事者取引額を大きく上回る水準だ。同社は公告の中で、その背景として、DRAM受託生産価格の上昇傾向が続くことに加え、ニッチDRAMやカスタマイズ型メモリー案件の新製品を順次投入しており、製品ライン拡充に伴って受託生産需要が増加していることを挙げている。
仮に2027年の最初の4カ月間の調達額44.11億元(約1,014.53億円)を基準に通年換算すれば、2027年の兆易創新の関連当事者取引規模は130億元(約2,990億円)近く、あるいはそれを上回る可能性もあり、2026年からさらに大幅に増えることになる。
公告では、同社は関連当事者取引の必要性についても詳しく説明している。兆易創新は中国国内の主要なファブレスメモリーサプライヤーの1社で、DRAMは同社の重要な製品ラインだ。2021年以降、同社はDDR4、DDR3、LPDDR4Xなど複数のニッチDRAM製品を相次いで投入してきた。もっとも、同社はアセットライト型の事業運営モデルを採用しているため、ウエハー製造工程については専門の受託製造企業に外部委託する必要がある。
これに対し、長鑫集団は中国国内では数少ないDRAMメモリー製品のIDM(垂直統合型デバイスメーカー)企業で、両社の戦略的協力関係を背景に、兆易創新のニッチDRAM事業向けに一部生産能力を開放し、受託生産サービスを提供している。公告の中で、兆易創新は「DRAM製品の受託生産に関する協力を通じて、相互補完により資源配分を最適化し、当社の製品ラインを充実させる」としている。
DRAM受託生産の価格決定について、兆易創新は、取引が「公平・合理・公正な価格決定原則に従い、市場価格に基づき、取引当事者双方の協議を経て決定される」と強調した。特別委員会も意見書を公表し、関連取引は「会社の通常の経営活動に必要なもの」で、「会社の独立性に影響を与えるものではなく、会社および非関連株主の利益を損なうこともない」との見解を示した。
(為替換算レート:1人民元=23円で計算)
(原文:https://www.icsmart.cn/142559/)

