
半導体シリコンウエハー価格に上昇圧力、最大40%超の値上げも

中国台湾メディア「工商時報」が23日付で報じたところによると、人工知能(AI)向けロジック半導体とメモリー半導体の増産が同時に進む中、12インチ半導体シリコンウエハーの需給逼迫が続いており、2027年を対象とする長期供給契約(LTA)の値上げ基調が徐々に固まりつつある。12インチのエピタキシャルウエハー(Epi Wafer)の新規長期契約価格は15~25%上昇する見通しで、ポリッシュドウエハー(Polished Wafer)では40%超の値上げとなる可能性がある。一部の顧客は50%を超える上昇幅に直面するケースもあり、2028年もなお上値余地が残るとみられている。
報道によれば、12インチ半導体シリコンウエハーのスポット価格は足元で上昇基調を強めている。アナリストは、2026年第4四半期にはスポット価格が既存の長期契約価格を上回る可能性があるとみており、これが2027年の新規長期契約における再交渉の重要な支えになると指摘する。値上げ幅は製品や顧客ごとに差があり、エピタキシャルウエハーは比較的穏やかな上昇にとどまる一方、ポリッシュドウエハーではより大幅な値上げが見込まれる。実際の長期契約価格は、製品構成や顧客ポートフォリオによって左右される見通しだ。
需要面では、AIの拡大が先端ロジック半導体需要を押し上げ続けている。2027年のCoWoS総生産能力は前年比70.9%増、GPUおよびAI ASICの出荷量は同44.9%増、さらにインテル、AMD、エヌビディアのCPU出荷量も合計で36%増加すると予想されている。これに伴い、12インチウエハーの投入量やシリコンインターポーザー需要も押し上げられる見込みだ。
一方、メモリー半導体の増産も需要を支える要因となっている。アナリストは、2027年のDRAMビット供給の伸びは前年比22%にとどまり、需要増をなお十分には満たせないと予測する。AIシステムではメモリー帯域幅と容量に対する要求が高まり続けており、中長期的にはメモリーメーカーによる増産が供給制約の緩和に不可欠になるとの見方が出ている。
価格と出荷量がともに伸びる中、半導体シリコンウエハー大手のグローバルウェーハズ(GlobalWafers)の業績は2027年以降、大きく拡大するとの見方が強い。アナリスト予想では、同社の12インチ半導体シリコンウエハーの平均販売価格(ASP)は2026年の92米ドルから2027年には122米ドルへ上昇し、伸び率は約32.6%となる見通し。2028年にはさらに166米ドルまで上昇し、前年比36.9%増が見込まれている。
出荷量については、12インチ半導体シリコンウエハーが2026年の四半期当たり約1190万枚(kwpq)から、2027年には約1617万枚、2028年には約2124万枚へ拡大すると予測されている。
需要要因に加え、コロナ禍の時期に締結された一部のウエハー長期契約が2026年から2027年にかけて順次満了し、再交渉の時期を迎えることも、今回の値上げ圧力を強める大きな要因となっている。過去2~3年で原材料価格や電力コスト、工場建設費などが大幅に上昇しており、業界では新たな長期契約価格は少なくとも2桁の上昇率になるとの見方がおおむね共有されている。
グローバルウェーハズの徐秀蘭董事長もこのほど、半導体シリコンウエハー市場は実際に値上げ局面に入ったとの認識を示した。上昇は短期のスポット市場にとどまらず、長期契約価格にも広がっており、顧客の需要見通しや供給確保に対する姿勢に変化が生じていることを映しているという。
アナリストはさらに、2028年も供給の伸びが需要に追いつかない状況が続けば、2027年上期に始まる2028年分の長期契約交渉でも一段の価格上昇余地があるとみている。2027年の値上げ幅が相対的に小さい顧客については、追加的な値上げ圧力に直面する可能性もある。AI向けロジック半導体、メモリー増産、長期契約の再交渉という3つの要因が重なる中、12インチシリコンウエハーの上昇サイクルは今後も続くと見込まれる。
(原文:https://www.icsmart.cn/142458/)

