
中国DRAMメーカー「長鑫存儲(CXMT)」、NANDフラッシュ市場に参入へ

9月18日、ロイター通信の報道によると、中国のDRAMメーカーである長鑫存儲(CXMT)は、NANDフラッシュ市場への参入を準備している。これにより、サムスン電子やSKハイニックスなどの大手メーカーに挑戦する構えだ。さらに、中国 NAND フラッシュメモリメーカー「長江存儲(YMTC)」との直接競合にもつながる見通しだが、NANDフラッシュは現在、半導体業界の中でも特に成長が速い分野の一つとされている。
業界関係者は、人工知能(AI)向け爆発的な需要を背景とした世界的なメモリー不足が、少なくとも2027年まで続くとの見方が出ている。SKハイニックスのCEO郭魯正(ゴウ・ルージェン)氏は7月、サプライチェーンの観点から見て、2027年がメモリー市場にとって最も厳しい年になる可能性があると述べていた。
現在、サムスン、SKハイニックス、マイクロンの大手3社はいずれも、DRAMおよび高帯域幅メモリー(HBM)に主要な経営資源を投入しており、その結果、NANDフラッシュの生産能力拡大は抑制され、この分野での供給不足が一段と深刻化している。市場調査会社TrendForceは、NANDフラッシュの供給逼迫が緩和されるのは来年下半期になると予測している。
関係者2人の情報によれば、長鑫存儲は北京の新工場内に、NANDフラッシュの研究開発および生産ラインを設ける計画だという。うち1人は、同社がすでに北京に研究所を設立しており、その中にはNANDフラッシュの研究開発プロジェクトも含まれていると明らかにした。
さらに3人目の関係者によると、長鑫存儲はNANDフラッシュ事業計画について、顧客との協議をすでに始めており、その中には新設のスタートアップ企業も含まれているという。この企業は、AIシステムやスーパーコンピューター向けのストレージ製品に用いるため、長鑫存儲のNANDフラッシュチップの調達を検討しているという。ただし、関係者はこの企業名の公表を控えた。
現時点では、北京における長鑫存儲のNANDフラッシュ研究開発ラインがいつ稼働を開始するのか、また研究開発・試作段階から大規模な商業生産へ移行する計画があるのかについては明らかになっていない。
TrendForceのデータによると、今年第2四半期の世界NANDフラッシュ市場では、サムスンが29.3%のシェアで売上高首位となった。SKハイニックスが2位、マイクロン・テクノロジーがこれに続いた。
長鑫存儲と長江存儲は、中国メモリーチップ業界の「二大メーカー」で、長鑫存儲は中国のDRAM生産を主導し、長江存儲は中国を代表するNANDフラッシュメーカーとして知られている。
長鑫存儲のNANDフラッシュ市場参入により、長江存儲との直接競合は避けられない。一方で、長江存儲もDRAM市場への参入を検討しているもようで、長鑫存儲の中核市場に踏み込む可能性がある。今年4月、ロイター通信は、長江存儲が低消費電力DRAMのサンプルを顧客に出荷しており、長鑫存儲の主力分野への参入するかを検討していると報じた。
両社はいずれも、サムスン、SKハイニックス、マイクロンという世界上位3社にはなお後れを取っており、製品構成も中低価格帯への依存度が比較的高いが、供給逼迫の影響で価格決定力は高まっている。ロイター通信は7月、場合によっては両社の見積価格が外国の競合他社よりも高くなっていると報じている。
(原文:https://www.icsmart.cn/142237/)

