中国自動運転チップ「地平線(Horizon Robotics)」、CATARCと戦略提携 ICV産業の標準・認証連携を強化

2026-09-18自動車自動運転半導体中国国産化

中国の自動運転向け半導体・ソフト開発を手がける地平線(Horizon Robotics)は17日、中国汽車技術研究中心(CATARC、中汽中心)と戦略協力協定を締結した。産業政策、業界標準、試験評価、検査認証の各分野で連携を深め、中国のインテリジェントコネクテッドビークル(ICV)産業の高度化を後押しする。



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今回の提携は、スマートドライビングの中核技術を担う企業と、政策立案支援や標準化、検査認証を手がける国家級の技術サービス機関が本格的に連携する枠組みとなる。Horizon Roboticsは自動運転向けチップ、アルゴリズム、AI計算基盤の開発を主力とし、CATARCは政策研究、標準・法規、試験・認証分野で強みを持つ。双方は、半導体やアルゴリズムの開発と、標準策定、試験、認証をより密接に結びつけることで、個別技術の実用化にとどまらない産業全体の連携強化につなげたい考えだ。



協定に基づき、双方は相互に戦略パートナーの位置付けを取り、トップレベルの協議メカニズムと日常業務の連絡体制を確立し、協力プロジェクトが効率的に推進され、確実に成果を上げることを保証する。



産業政策、業界標準、エンジニアリング技術サービスの3分野が連動、ICVの実用化プロセスを貫通



提携の柱は、産業政策、業界標準、エンジニアリング技術サービスの3分野だ。ICVのトップレベル設計から量産前の検証まで、ほぼ一連のバリューチェーンをカバーする内容となっている。



産業政策の分野では、CATARCが自動車業界向けシンクタンク機能を生かし、Horizon RoboticsのスマートドライビングやAI計算分野での実務知見を組み合わせる。インテリジェントコネクテッド化、重要部品産業への支援策、データガバナンス、中国自動車産業の国際展開戦略などをテーマに、政策調査やコンサルティングを共同で進める。



標準化分野では、CATARCが担う自動車標準化の運営・研究・国際調整機能と、Horizon Roboticsの車載チップや車載AI分野での技術力を結び付ける。ICV、車載半導体、車載向け人工知能を対象に、中国国内外の標準化研究を進め、中国発の標準の国際展開も視野に入れる。



エンジニアリング技術サービスでは、スマートコックピット、情報セキュリティー、データセキュリティー、運転支援、車載スマート端末、機能安全、車載半導体試験などで協業する。加えて、ISO認証、IATF16949、自主製品認証、機能安全認証、SOTIF(意図した機能の安全性)認証、サイバーセキュリティー認証、半導体情報セキュリティー認証、半導体機能安全認証などの分野でも連携し、新技術や新製品の量産車搭載に向けた検証体制を整える。



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CATARCの龚進峰総経理は、「自動車産業は電動化と知能化への移行を加速しており、スマートコンピューティング半導体と自動運転技術は産業革新の中核になっている。CATARCは標準研究、試験検査、エンジニアリング開発における技術サービス力を生かし、Horizon Roboticsと多面的かつ実務的な協業を進める」とコメントした。そのうえで、今回の提携を起点に先端技術の共同研究を進め、中国自動車産業の高度化成長を支える考えを示した。



技術基盤と標準基盤の連携で、中国サプライチェーンの競争力底上げ



両社の協業は、これまでの蓄積を踏まえれば自然な流れともいえる。Horizon Roboticsは中国市場で先進運転支援向けソリューションと車載スマート計算基盤を展開する有力企業の一つだ。車載チップ「Journey」シリーズの累計量産は1500万個を超え、世界40社超の自動車メーカー・ブランドと提携し、量産採用が内定した車種は累計500モデル、支援対象となるユーザーは800万人規模に達する。ワンステージ型エンドツーエンド構成を採る「HSD」全シーン対応運転支援システムは、奇瑞汽車(Chery)や長安汽車(Changan)など複数ブランドの市販車に搭載されている。



同社はまた、中国最大級の民生ロボット向け計算プラットフォーム供給企業でもあり、「地瓜機器人(D-Robotics)」ブランドのチップを採用した上市製品は100機種を超える。AI関連論文も50本超が国際会議に採択され、特許出願件数は2000件を上回るなど、基盤技術への投資を継続している。



一方のCATARCは、1985年設立の中央国有企業で、中国国内外の自動車業界で幅広い影響力を持つ総合技術グループだ。政府向け、業界向け、一般社会向けの3本柱でサービスを展開し、自動車のライフサイクル全体と産業チェーン全般をカバーする技術サービス体制を持つ。政策研究、標準・法規、共通基盤技術の研究開発、製品エンジニアリング、試験・認証のほか、新エネルギー車、ICV、自動車のデジタル化といった戦略分野にも注力している。



両社はこれまでも政策法規コンサルティング、標準策定、試験認証などの領域で継続的に協業してきた。2025年12月には関連契約も締結しており、今回の協定によって関係を正式に長期戦略提携へ格上げした形となる。中国製スマートカー向けサプライチェーンにおいて、標準と検証の連携をさらに強化する狙いがある。



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Horizon Roboticsの創業者兼CEOである余凱氏は、「自動車の知能化が進むなか、産業チェーンの上下流が連携して技術革新を進めることが重要になる。Horizon RoboticsはAI計算とスマートドライビングのフルスタック技術を基盤に、CATARCと補完関係を築き、政策研究、標準策定、検査認証、国際展開などで踏み込んだ協業を進めたい」と述べた。



標準主導権から海外展開まで、中国方式の普及を後押し



業界の視点からみると、今回の提携の意義は、単なる協定締結そのものよりも、標準、検証、政策支援といった中核機能を一体的に動かせる点にある。



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第一に、標準化を通じた発言力の強化が挙げられる。車載半導体や車載AIの標準化研究を通じて、中国国内外の基準の整合や相互認証が進めば、中国のスマートカー技術は製品競争力だけでなく、ルール形成の面でも存在感を高める可能性がある。



第二に、開発から量産までの検証プロセスを閉じた形で構築できる点だ。試験評価、認証コンサルティング、半導体試験といったCATARCの機能に、Horizon Roboticsの製品開発力を組み合わせることで、研究開発から検証、認証、量産までを一気通貫で回す体制づくりが可能になる。新技術を量産車へ確実に搭載するうえで、有効な枠組みとなりそうだ。



さらに、政策と産業の連動も強まりそうだ。国際展開戦略、重要部品支援策、データガバナンスといったテーマで両社が知見を持ち寄れば、中国自動車産業の海外進出や高付加価値化に向けた政策支援の厚みも増す。



Horizon RoboticsとCATARCは今後、政策研究、標準策定、エンジニアリング技術サービスの各分野で実務協力を深め、自主性が高く安全で効率的なICV産業エコシステムの構築を急ぐ方針だ。中国の自動車産業が「量の拡大」から「競争力の強化」へ進むうえで、今回の提携は官民横断の協調モデルとして注目を集める可能性がある。








(原文:https://www.icsmart.cn/142227/)

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